ソフトボールくらいの胸だろうか。
もし、あんな人に抱きつかれたらどうなんだろう。
俺のちっぽけな、背中で受け止められるかな・・・。
こんなちっぽけなミットで受け止められるかな・・・。
自分勝手な妄想が広がったのを覚えている。
そうそう。あれは、Nちゃんと話しているときだったな・・・。
そんなNちゃんと話す機会があった。
「ヒロさんは甘えるほう?それとも甘えられるほう?」
「んー。俺は甘えられるほうかな。」
心のなかで嘘をついた自分に罪悪感。
「うちの彼、二人になると甘えてくるんだよね。」
「へー。」
そりゃそうだろう。
俺が、Nちゃんの彼氏の立場だったとしたら・・・。
おっぱいに猫パンチを軽く2,3発くらわすだろうな。
右へ左へ。
左から右へ。
毛糸にじゃれ付く子猫のように。
転がし続け、転がり続け・・・。
変な妄想は辞めて、あの冷たいベッドに転がろう。
MちゃんとTちゃんと俺の3人だった。
恋愛の話から何故か3人はおっぱいの話になっていた。
「私ののおっぱい解散しちゃうんだよなぁ。」と、M子ちゃん
「私のおっぱいちっせーからなぁ。」と、Tちゃん。
みんなわかっていない・・・。
ぜっんぜんわかってないっ!!!
俺は悲しいよ・・・。
形や大きさじゃないんだ!!
おっぱいって奴は・・・。
おっぱいなんて、そんなちっぽけなもんじゃない。
許される者が足を踏み入れる聖地、それが双子山。
危険を冒してまでも、登ってみたいエベレストみたいな厳かな存在。
時に優しく、包み込んでくれる母なる大地。
大地が隆起し、噴火し大きくなり、山となり、谷となり・・・。
谷間になり・・・。
AがBになりCがDになり・・・。
そう。
おっぱいは自然がもたらした奇跡なんだ!
色んな山があっていいじゃないか。
しまった・・・。
ついついあつくなってしまう。
酔っ払いはそろそろ寝るとしよう。
オナラというのは時にかわいいが、絶句するような事件を生む気がするのだ。
専門学校の頃福祉のホームヘルパー2級の試験を受けていたときのこと。
姉妹校の生徒と一緒に授業を受ける。
俺はそこで、ステキな出会いをしたんだ・・・。
ちょっとパンキッシュのような彼女は俺の斜め横の席で授業を受けている。
喫煙所にて仲良くなり、日数を重ねて仲良くなり、やっと二人でデートの約束を取り付ける。
彼女と夜の浜辺にてデートをすることになった。
二人仲良く電灯の光を頼りに、砂浜を歩く。
さっき、コンビニでさっき買ったばかりのお酒が入っている
ビニールの袋がシャカシャカとなる。
二人で波打ち際の手前に腰を下ろした。
そして、二人は楽しそうに笑いながら乾杯した。
俺の体の異常が起きたのは、その30分くらだっただろうか。
お腹がボッコボコとなっている・・・。
しまったっ!お腹いてぇ!!
それでも、俺は引きつり笑顔を浮かべながらなんとか会話していた。
しかし、俺のお腹の中でボッコボコと無常にガスのようなものが溜まっていく。
も、もう・・・。だめだ・・・。
”あっ!そうだっ!あの自販機の茂みでオナラしちゃえば・・・”
窮地に陥ると素晴らしい知恵がわくもんだと実感した。
正直、「俺って天才かも♪」なんて思った。
「○○子ちゃんさ、あったかコーヒーでも買って来るよ!」
そう立ち上がった刹那!
「ボフッ!」
ありえないほどの大きさのオナラがこだました。
バッキャローッ!!フライングしてんじゃねーよ・・・。
さざ波の音を消し去るほどの、小さな爆発音にも似ていた。
俺はオナラに後押しされるように立ち上がったが、彼女の反応がない。
ここで、「あははっ!今ヒロくんオナラしたでしょ?」なんて
言われれば「では、リクエストにお答えして・・・」なんていえたのだが・・・。
そんな冗談を言える仲ではなかった・・・。
俺は静かに立ち上がり、自販機に向かった。
空き缶を蹴飛ばして帰りたくなったのは言うまでもなかった。
その後、彼女と少しの間お付き合いしたがスカシッペのように自然消滅していった。
無論”音”沙汰はなくなった。
彼女の誕生日、俺の想いをぶちまけようと思いかなり張り切っていた。
彼女は父親がいなくて、笑っているけど少し寂しい表情をしていた。
ここは、俺が心温まる手作りで、ステキな誕生日にしてあげようと思った。
俺の部屋をまずは改造だっ!
まずは俺の部屋に入ってきたときにサプライズがあるほうがいい。
というわけで、折り紙を切ってのりを張ってワッカを作り部屋に飾った。
俺の得意の習字(毛筆は得意)で紙に書き始めた。
「○○子ちゃんお誕生日おめでとう」
1文字1文字大きな紙に書き始めた。
しかしながら、紙質が悪かったせいか、並べたときに墨汁(墨)が
垂れてしまい、呪われたような書体になってしまった・・・。
”せっかくの彼女の誕生日なのに・・・”
そんな気持ちとは裏腹に、「おめでとうの」文字すら「呪ってやる」
みたいな書体になっている・・・。
彼女は精一杯我慢して楽しんでくれたが・・・。
俺も精一杯頑張った成れの果てがそれである。
そんなことに喜んでくれていた人がいた心の優しさを感じながら
今日も酔っ払いは眠りにつこう。