俺の恋愛における災難というのは多かった気がする。
オナラというのは時にかわいいが、絶句するような事件を生む気がするのだ。
専門学校の頃福祉のホームヘルパー2級の試験を受けていたときのこと。
姉妹校の生徒と一緒に授業を受ける。
俺はそこで、ステキな出会いをしたんだ・・・。
ちょっとパンキッシュのような彼女は俺の斜め横の席で授業を受けている。
喫煙所にて仲良くなり、日数を重ねて仲良くなり、やっと二人でデートの約束を取り付ける。
彼女と夜の浜辺にてデートをすることになった。
二人仲良く電灯の光を頼りに、砂浜を歩く。
さっき、コンビニでさっき買ったばかりのお酒が入っている
ビニールの袋がシャカシャカとなる。
二人で波打ち際の手前に腰を下ろした。
そして、二人は楽しそうに笑いながら乾杯した。
俺の体の異常が起きたのは、その30分くらだっただろうか。
お腹がボッコボコとなっている・・・。
しまったっ!お腹いてぇ!!
それでも、俺は引きつり笑顔を浮かべながらなんとか会話していた。
しかし、俺のお腹の中でボッコボコと無常にガスのようなものが溜まっていく。
も、もう・・・。だめだ・・・。
”あっ!そうだっ!あの自販機の茂みでオナラしちゃえば・・・”
窮地に陥ると素晴らしい知恵がわくもんだと実感した。
正直、「俺って天才かも♪」なんて思った。
「○○子ちゃんさ、あったかコーヒーでも買って来るよ!」
そう立ち上がった刹那!
「ボフッ!」
ありえないほどの大きさのオナラがこだました。
バッキャローッ!!フライングしてんじゃねーよ・・・。
さざ波の音を消し去るほどの、小さな爆発音にも似ていた。
俺はオナラに後押しされるように立ち上がったが、彼女の反応がない。
ここで、「あははっ!今ヒロくんオナラしたでしょ?」なんて
言われれば「では、リクエストにお答えして・・・」なんていえたのだが・・・。
そんな冗談を言える仲ではなかった・・・。
俺は静かに立ち上がり、自販機に向かった。
空き缶を蹴飛ばして帰りたくなったのは言うまでもなかった。
その後、彼女と少しの間お付き合いしたがスカシッペのように自然消滅していった。
無論”音”沙汰はなくなった。
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